銀座奥野ビル

東京都中央区銀座一丁目。メインストリート銀座中央通りからほど近い場所のレトロな奥野ビル。もともとは住居として利用されていたが、現在はギャラリー、アンティークショップ、セレクトショップ、アトリエ、ショールームなどが20ほど。各居室は約3.5坪のワンルームで、当初の名称は「銀座アパートメント」。当時、デパートや銀行などのごく一部の建物にしかなかったエレベーターが、日本で初めて民間の住居に設置され、電話線も各部屋に引かれた。風呂とトイレは共同で、トイレは各階、大浴場は地下に作られていた。昭和初期の趣を残すタイル貼りの外観や、銀座最古の手動式エレベーター、各階で違うデザインの停止階を矢印で示すインジケーターなど、ほとんどが当時のままに昭和初期の風合いが残っている。設計は同潤会アパート建築部に所属していた川元良一氏。貴重な歴史的建造物だ。