丸池の里

勝淵神社の南に「丸池公園」がある。ここが湧水池「丸池」の名残り。千釜（せんがま）ともよばれ、文字どおり釜の形のように川床に大きな湧水の吹き出し口が多数あった所。『新編武蔵風土記稿』や『武蔵野歴史地理』に「千釜」「勝淵」などの名で紹介され、仙川の名称がこの「千釜」から発生したものとも考えられている。また、下流にやはり大きな「門前釜」（もんぜんがま）があったという。これらの湧水群は、昭和46(1971)年頃には埋め立てられ、また河川改修によっても昔日の面影はない。しかし、平成６年から東京都と三鷹市により「丸池」の復活計画がスタートした。市では雨水浸透枡の設置を進める一方、地域住民参加のワークショップ形式でのプランづくりが着々と進められた。それに先駆け、新川天神山青少年広場に樋口取水場が設けられ、１日１万トンの湧水のうち３千トンをここで汲み上げ、上流の「野川宿橋」のところから流している。現在のその清流は、平成元年完成の「仙川公園」の水辺空間を創出しながら、仙川の再生を願う人たちのもとに流れている。開園した雑木林公園、原っぱ公園や2期工事を終え、市民グループ「丸池の里わくわく村」が見守る丸池公園を取り込む一帯は「丸池の里」の名称で、水と緑の一大拠点となっている。