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西願寺阿弥陀堂は、寺伝によれば、平蔵城へいぞうじょうの表鬼門に位置する場所に領主土橋平蔵どばしへいぞうが発願し建立したといわれています。建立当初は堂の上部に金箔が施され、燦然と輝いていたことから、「平蔵の光堂」と呼ばれていたと伝えられます。屋根は茅葺屋根の寄棟造よせむねづくりであり、正面・側面ともに3間のいわゆる三間堂です。千葉県内には、この西願寺阿弥陀堂をはじめ、印西市の栄福寺薬師堂や宝珠院観音堂、市原市吉沢の鳳来寺ほうらいじ観音堂など、同様の形式で国指定文化財に指定された三間堂が5軒あります。なかでも西願寺阿弥陀堂は、本格的な禅宗様ぜんしゅうようの建築技法が用いられています。軒は二軒扇垂木おうぎだるぎで軒の出が深く、それを支える組み物は、三手先組みてさきぐみの詰組つめぐみです。詰組とは、和建築の場合に柱の上部のみにある組物が、柱間にも詰めて施されるものです。そのため、組物の数が多くなり、その組物に尻尾のように突き出た尾垂木おだるぎとともに、華やかな造形美を感じさせる軒下になります。禅宗様建築の代表作に鎌倉の円覚寺舎利殿えんがくじしゃりでんがありますが、西願寺の組物は円覚寺舎利殿のそれに近似しています。昭和2年に実施された西願寺阿弥陀堂の解体修理の際に、部材に書かれた墨書が発見されました。明応4年7月5日に書かれたその墨書には、鎌倉の住人である大工名人の二郎と三郎らによって建立されたことが記されていました。その墨書は、円覚寺舎利殿との組物の類似とともに、当時の技術交流を物語っています。また、堂内の厨子ずしは、屋根は入母屋いりもや造りの本瓦形板葺きですが、組物は三手先詰組、二重扇垂木が用いられており、阿弥陀堂創建当時に作られたものとみられることから、阿弥陀堂に附つけたりとして指定されています。
文化財:国指定重要文化財 創建年代 :1495
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