南宇和•愛南町に来たので「紫電改展示館」に来てみたかった。1978年、海底で発見された機体を翌年7月に引き揚げ、恒久平和を願い終焉の地「久良湾」に機首を向けて保存しています。未帰還6機の内の1機。6家族は息子が乗っていたものではないかと、6通の手紙が展示されていました。片道の燃料で出発した優秀な方々の短い青春が偲ばれます。ソメイヨシノが馬瀬山を薄ピンクに染める一足先に紫電改展示館の傍に「陽光桜」が咲いていました。この桜は「平和の桜」と呼ばれています。愛媛県東温市•高岡正明さんが開発した新種の桜です。高岡さんは戦前、青年学校の教師でした。「お国のために…」と信じて戦場へ行った多くの教え子は、太平洋戦争が終わっても帰っては来ませんでした。戦争で亡くなった教え子の供養と世界平和のために、長い歳月をかけて世界中どこでも咲かせることのできる桜を育てたそうです。プロペラが90度に曲がっているのは、操縦技術の高い人で水上着陸をしたからだそうです。引き揚げられた紫電改のパイロットは?窓が閉まったままなのに何も残っていなかったのは何故?など、謎は分かっていません。来られていた方々は一つ一つ見入っていました。陽光桜のことなど知れて良かった。